映画『青い春』
松田龍平主演『青い春』鑑賞。
AmazonPrimeに前からあって、結構気になってはいたのだが、なんとなく見ていなかったが、昨日の夜にようやく見た。
松田龍平演じる主役・九條はヒョロヒョロしているがここでは一番肝が座っているかもしれない。逆に新井浩文演じる青木は威勢はいいが、大変な小物である。そのほかのキャラクターたちも、というより九條以外は、みんな青臭く血の気が濃く無鉄砲である。
「ここ(学校)は天国だ」「ずっとここにいたい」などというセリフが並ぶのがすごく新鮮だった。彼らはこの生き方しか知らない。彼らにとっては、学校という狭すぎる中でのスリル・闘争に心を燃やすことだけでしか生の実感や肯定感は得られないのである。青いのだ。そしてその視界が広がることもまた難しい。
あと、ミッシェルの音楽がとてもこの映画に合っていた。攻撃的で、焦燥と危ない気持ちを掻き立てる音楽だった。
余談だがこの映画、美術関係であの岩井澤健二が関わっていた。そのことにクレジットを眺めていて気づいた。そして納得した。彼のアニメ映画『音楽』に出てくるキャラクターたちの造形と重なるところがあると感じていたのである。もちろん『音楽』ではその欲求不満-フラストレーションを音楽活動で発散することになるのだが。注記しておけば、両作ともに原作漫画があるので、全てを重ねることはできない。ただ、会話のトーンやキャラ造形には近いところがある。
↑そう思うとポスターも割と似ているような…